スピン

スピン

遅くなったが山田悠介を読む。
「このバスから、誰も降りることはできない。そう、東京タワーに着くまでは」
山田悠介お得意の〜しなければ〜出来ないという不条理物。
少年たちによって“同時多発バスジャック”が起こったというもの。
相変わらずツッコミどころは多々あれど、今までよりすっきりとまとまっていてそれが、つまんない。
山田悠介はもっとはっちゃけた感じがなくっちゃ。
小さくまとまるなよ、山田悠介




三年坂 火の夢

三年坂 火の夢

江戸川乱歩賞受賞作、のひとつ。
「三年坂で転んでね」といって死んだ兄の死の謎を追って三年坂を探す実之。火の街を疾走する謎の人力俥夫。そして鍍金先生。
出会いそうで出会わない彼ら。
明治時代の東京のどこか懐かしい不思議な感じの中話は進む。
面白い。面白いのだが、途中で飽きちゃったよ。
後半は私もまいて読んだけど、作品自体もそんな感じ。





東京ダモイ

東京ダモイ

江戸川乱歩賞受賞作、のもうひとつ。
60年前ラーゲリ(シベリア捕虜収容所)で起きた中尉斬首事件。
そして現代に起こったロシア人女性殺人事件。
鍵を握っていると思われる、句集を発行しようとしているダモイ(帰還)を果たした老人。
正直好きな題材ではないのだが、いやあ、面白いよ。
ラーゲリを語る老人の手記と現代のパートが交互に描かれているのだが、そのバランスがよく飽きさせない。
トリック的にはナニで、いやあアレは無理やろうと思うし(奇跡とか言うな)、俳句の謎解きも結構強引。
刑事は誰が誰だか途中でわかんなくなるし、主人公の妹とかなんだかご都合。
それでも面白く読めた。
個人的には三年坂よりこっちの方が好き。




オレンジの季節

オレンジの季節

会社員の立花薫は、憧れの上司・戎怜華にプロポーズした。怜華が突きつけた結婚の条件は「薫が専業主夫になること」。慣れない家事に忙殺され、いろんな事件が起こりながらも幸せに暮らす薫と怜華。


鯨統一郎が家族小説?


んな訳はありません。
「○○の章」(章題すら書けない)ではぶっ飛びます。
好悪は分かれるであろうけど。ま、鯨統一郎ですから。
呆然とすることは確実。