街の灯 (文春文庫)

街の灯 (文春文庫)

上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。令嬢の英子は彼女をひそかに〈ベッキーさん〉と呼ぶ。そして不思議な事件が……

なんと言うか、背筋を正して読みたくなる作品。(もちろん寝転んで読みましたが。読書姿勢の悪い私)
新聞に載った変死事件の記事から謎を解いたり、お兄さんを悩ませている暗号を解いたり、映写会上映中の同席者の死を推理してみたり。
解いているのは英子お嬢さんだが、そのヒントをさりげなく提示しているのはベッキーさん。
この関係がいやみでなく良い。
英子はこれから成長して行くだろうそれも楽しみだし、ベッキーさんって一体どういう人?って辺りが明らかになるのかどうかもまた楽しみ。
そしてこれから起きるであろう戦争が彼女にどういう影を投げかけるのか。
2作目を待ちたい。


つきまとわれて (中公文庫)

つきまとわれて (中公文庫)

いろいろな事件に巻き込まれた人たちを描く連作短編集。
上質の作品集である。
こういうの、いいなあ。