殺人の門 (角川文庫)

殺人の門 (角川文庫)

あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか…。

わあ、この本きらーい。
なんでこうどんどん悪い方へ行っちゃうかなあ。
これでもかこれでもかと。
それでも、倉持修と離れられない和幸。二人の間に愛が見えるのは気のせいではないであろう。
そしてこのいやーな本、本を置く間を与えず読ませる東野圭吾。さすがである。




ゆめつげ

ゆめつげ

江戸は上野の端にある神社で神官を務める粗忽な兄としっかり者の弟。兄には夢告の能力があった。その噂を聞きつけて舞い込んで来たのが、大店の行方不明の一人息子の行方を占ってほしいという依頼だったのだが……。

しゃばけの雰囲気にも通じるどことなく温かみのある本。
うまいなあ。
弓月が吐血しすぎで死んじゃわないでよかったよ。


わたしも本を読みながら眠りにつくと「ゆめつげ」状態に陥ることが間々ある。
ミステリなどどんどん推理してしまって犯人を指摘するのだが、この「ゆめつげ」当たることは決してない。




びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

とある古書店で、たまたま手に取った1冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出……。三知也が小学校6年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、<リリカの部屋>で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に! あれから10年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが……!?

ミステリーランドの1冊にして館シリーズの新作。
内容の紹介、今回はすべて出版社の情報丸写しなのだが、これは長い。
だって感想があんまりないんだもん。
途中まではよかったんだけどなー。
え、それかよって感じ。




パンドラの火花

パンドラの火花

死刑執行を控えた囚人に、最後通牒が宣告された。「過去の自分と対面し、犯行を思いとどまるよう説得せよ。成功すれば釈放、失敗なら、死――」。絶望と孤独に苛立っていた16歳の自分。家族全員を殺戮した男は、時空を超え、その全てを知る自分に今、対峙する!

設定には非常に興味をそそられて読んだのだが。
まず、「一卵性の男女の双子」というところで引いてしまった。話の筋には関係ないことだけどね。
そして、家族6人を殺し、そして逃亡の途中小金が必要とのことで女子中高生を5人(ほんとはもう一人)殺した囚人。
これはどう考えても許せないね。
それをなかったことにしてしまった方がよいのかどうか。
タイムパラドックス的に許せない事態が多すぎ。
など、話の本筋以外のことで受け付けない部分が多かった。
人間ドラマとして読むべきだったな。